東京など都会が怖い

田舎出身の人にとっては、東京や大阪といった「都会」というのは、憧れの世界であると同時に恐怖や不安の対象でもある、という場合もあるでしょう。
この記事では、都会のどんな部分が怖いか、ということについて書きたいと思いますが、その前に、そもそもの話として、「都会」とは一体どこからどこまでを指すのか、なにか基準などはあるのでしょうか。
都会は、辞書的に言えば、「人が多数住み、商工業が盛んでいろいろな文化的設備がある土地」という意味になります。
この意味を見るかぎり、明確な基準があるわけでなく、個人の主観やイメージの影響も大きいのでしょう。
日本の主要な都市としては、北海道から九州までの各都市が挙げられます。
- 札幌
- 仙台
- 東京
- 横浜
- 名古屋
- 京都
- 大阪
- 神戸
- 広島
- 福岡
このなかでも、特に「大都会」と言ったら東京と大阪(3大都市だと東京、大阪、名古屋)でしょう。
ただし、都会は相対的な言葉でもあり、自分の住んでいる場所を田舎と定義した場合に、たとえば、その県の県庁所在地なども「都会」と感じることもあるかもしれません。
私の住んでいた地域は、いわゆる隣家がずっと遠かったり、野生の動物としょっちゅう出会うような自然豊かな田舎ではなかったものの、ほどほどの田舎、近所に若者が楽しむことのできる娯楽施設はなく、ドラッグストアやスーパーがぽつんぽつんとあるくらいの田舎で、県の中心街に行くときでも都会という印象でした。
しかし、近隣の県で都会と言えば、なんと言っても東京。東京という街は、まるで別世界のようでした。
大学進学とともに上京し、以降、東京の一人暮らし生活はそれなりに長いものの、根っからの性格もあってか、都会の喧騒に慣れることはありませんでした。
私が東京に住んで、都会って怖いな、と思ったのは、夜道を普通に歩いていたらいきなり酔っ払いに絡まれたことや、地元は電車社会でもなかったので満員電車の異様な光景、関連して人身事故の多さなども挙げられます。
加えて、夜の水商売の店のキャッチやら、手相を見せてほしいやら、怪しげなスカウトや宗教やら、勧誘のように声をかけられることも頻繁にあり、この辺りを適当に流し、無視する力も都会では求められ、田舎とのギャップに驚かされます。
とは言え、私の場合は、もともと田舎の窮屈さに疲れ、東京の誰にも干渉しない匿名性(これが「冷たい」と言われることと裏表ではあるにせよ)に憧れていた面もあったので、「都会が怖い」という不安は、それほど強くなかったことと記憶しています。
一方で、普段はのどかな町や村で暮らしながら、ときどき仕事などで都会に行かなければいけない人や、都会で暮らしたい人のなかにも、都会が怖い、と思っている人は少なくないでしょう。
一般的に、都会が怖い、という人にとっては、都会のどういった部分が恐怖心や不安感を抱くでしょうか。
たとえば、「教えて! goo」には、田舎の島の高校生が、都会への恐怖心を次のように語っています。
私は生まれも育ちも電車の無いような田舎の島の高校生です。
ですが来年受験で私の行きたい大学は大阪や京都などの都会で、正直とても怖いです。
私は小さい頃から臆病で一人で行動するのが苦手です。
今まで電車に乗ったのも数回で、それも姉や友達について行くだけで自分では何をしていいのか全然わかりません。
他人の目が怖くて足が震えます。都会の人に笑われるんじゃないか、怖い人がいたらどうしようとかそんなことばかり考えてしまいます。
この田舎の島の高校生は、どうしても学びたいこと、やりたいことがあり、京都や大阪などの都会の大学に行きたいものの、幼い頃から臆病で、一人で行動するのが苦手とのこと。
都会が怖い理由として、電車社会や、都会の人に笑われるんじゃないかと、人の目が怖いようです。
確かに、電車社会に慣れていないと、都会の電車だらけの世界は相当に不安になるでしょう。電車が多い、人も多い、色とりどりの入り組んだ路線図は、ぐるぐると迷路みたいになっています。
人の流れも速いので、迷っていたり、立ち止まったら、邪魔になると思うと、余計に焦ってしまうかもしれません。
都会の電車移動は、慣れが必要になるかもしれません。
電車について、最初のうちは家の最寄駅から学校や会社といった目的地までの決まった行き方を中心にして、それからちょっとずつ近場の駅で降りてみるなど、徐々に活動範囲を広げていくとよいかもしれません。
電車移動自体は、割とすぐに慣れるでしょう。

もう一つ、人が大勢いるので、人の目が気になる、何か失敗したら目立って恥ずかしい、というのも、都会が怖い代表的な理由の一つかもしれません。
この点で言えば、たとえば、田舎の人の目は少ないながらも濃厚で、都会の人の目は多いものの浅薄である、ということも言えるでしょう。
田舎だと、ちょっと変わり者というだけでも目立ってしまうものの、都会(特に東京や大阪など大都市の場合)、変わった人はいくらでもいますし、観光地なら田舎出身者も多いので、その辺りの寛容さは、都会の方があるかもしれません。
その他、都会で怖いと思う点については、以下のような声がネット上で挙がっています。
- 新宿のキャッチの多さや、人の見た目が怖い
- 営業や宗教の勧誘が怖い
- 六本木などは特に、外国人がたくさんいることが怖い
- 人の数の多さが怖い
- 犯罪などに巻き込まれそうで怖い
- 歩く速度が早すぎて怖い
- 電車の混雑が怖い
- 痴漢などが怖い
- 歩いていていきなりぶつかってくる人がいて怖い
- 事件が起きたら皆で動画や写真を撮るのが怖い
もともと東京など都会出身の人にはピンと来ない面もあるかもしれませんが、田舎から都会に出てきた人の場合は、どれも思い当たる節ばかりではないでしょうか。
新宿など、都市部はキャッチも多く、人の見た目も様々な意味で怖い人も少なくありません。人混みも多いですし、電車の混雑や痴漢が怖い、いきなりぶつかってくる人が怖い、というのも、都会恐怖症の「あるある」かもしれません。
個人的には、東京に上京する以前は、周囲の人たちから田舎者に見られるのが怖い、といった不安もありましたが、これはそれほど気にする必要はありませんでした。
先ほども触れたように、田舎から出てきた人もたくさんいますし、私よりもさらに田舎出身の人も普通にいる街なので、自分だけが目立つ、ということは基本的にありませんし、人の目は多いものの、その目は浅く、変わった人も大勢います。
どうしても他人の目が気になる場合は、「無難」を目指しましょう。ファッションで言えば、無印良品で服のコーディネートを揃えて、もし移動中にわからないことがあったら、駅員さんやお巡りさんなどに尋ねましょう。目立って笑われる、ということはなく、そもそも皆そんな余裕もありません。
無印良品のホームページでは、コーディネートの事例集も色々と掲載されているので、都会に行くのに田舎者っぽい見た目で不安という人は、このコーディネートをそのまま真似することをおすすめします。
美容院も、自分が通っていた田舎の美容院では、雑誌の切り抜きなどを持っていくこと自体あまりいない気がして恥ずかしかったのですが、都会の美容院はそういうお客さんも多いでしょうから、美容師さんになんてオーダーしたらいいか悩んでいる場合も、気軽に切り抜きを持っていってもよいと思いますし、イメージだけ描いていたら、あとは美容室に置いてある雑誌から適当に選んで「こんな感じ」と注文してもよいでしょう。
別に、そのモデルさんと顔が合わないからと言って、あくまで髪型の参考なので気にする必要はありません。
>>【美容院で垢抜けたい人必見】上手な頼み方・失敗しないオーダーのコツ5つ
電車移動や街中の人の目は、無難な格好で、素直に尋ねればなにも恥ずかしいことはありませんし、もし人と絡むことが苦手だったり怖いようなら、最近では、インターネットでいくらでも情報が見つかるので、予めスマホなどでよく調べるようにするとよいでしょう。
また、もし東京に上京して一人暮らしをする場合は、最初に住む駅として、あまり都会の場所を選ばないようにする、という選択もおすすめです。
テレビや雑誌で見てきた憧れの街、というのもあるかもしれません。でも、意外と東京は都心部から電車で少し離れれば、のどかな町もたくさんあるので、そういう都会の周辺部で、ちょっと静かな町に住み、憧れの街のような都会の中心部は、大学や会社、また遊びに行くなど、「向かう場所」としたほうがよいでしょう。
逆に、満員電車含め2、30分でも電車移動が嫌な場合は、多少家賃が高くても、大学や会社の近くで、ちょっと昔の雰囲気の残っているような町に住み、自転車などを使って目的地に向かう、というのも一つです。
たとえば下町や各駅列車しか停まらないような駅は、都内でも、意外と静かな街もあります。私も、上京して東京で一人暮らしを始める前は、東京と行ったら、もうあっちこっちに高層ビルが立ち並んでいる近未来の世界、といった光景を想像していましたが、実際は、そういう場所は割と一部です。
[8K]東京空撮/Tokyo Aerial Images (Canon Official)
とは言え、人が多いことは確かですし、私自身、静かな空間が好きなので、美術館など面白い場所はたくさんあるものの、都会の暮らしは疲れる、というのもずっと変わっていませんし、怖い部分はやっぱり怖いままです。
その意味では、もし恐怖よりも憧れが勝ち、都会で一人暮らしをするようなら、自分の趣味嗜好や治安の口コミなども踏まえながら、慎重に住む場所を決めるようにしましょう。
ちなみに、東京生まれ東京育ちの友人に話を聞くと、どんな世界かわからない分、田舎に住むほうが怖いそうです。知らないものには不安感を抱きやすいですし、恐怖心にとって「慣れ」というのも大きい要因なのでしょう。